くそ雑多なひとりごと
時系列順で見る  ❘   memoトップへ  ❘  

#TO_BE_HERO_X 個人的な感覚を言語化する試み

陰謀まみれで蹴落としあっているおじさん達の割を食い搾取される若者の話なのか?というと直観的にはあまりそう感じていないところがある。何故なら若者もベテランも総じて割を食っている話であるので。寧ろ犠牲の大きさで言えば真っ当なおじさんベテラン勢が一番酷い目に遭ってるまである。名誉まで含めてしっかり奪われてるし。でもおじさんベテラン勢ってなんとなく一般的には『搾取・犠牲』という表現ではあらわされにくいよね、という感覚があって。長く生きてて自己責任感強くて未来というものの尺が若人より短いおじさんはしゃーないみたいに見られやすい気がする。おじさんであっても犠牲者には変わりないんだけど結果的にナイスのような分かりやすい若者の犠牲が目立ちやすいみたいな。知らんけど。世間の反応をほとんど見てないのでこれほぼ想像で言ってます

では割食いの視点を変え、『ヒーロー』という“夢”の形を喰らい穢しながら陰謀を働く悪い大人達の話なのか?というと、この作品においては特にそんなことないよな…と思う。何故ならTBHX世界の『ヒーロー』というシステムはそもそも根幹から歪んでいるから。穢す以前に最初から穢れそのものというか、人々の、“全”の望みによって生まれる世の中の歪み(これは現実にも今昔ずっとある)をデフォルメして分かりやすく落とし込んだシステムが『(TBHX世界における)信頼値が生み出すヒーロー』だから。

だから悪い大人が利用しようがしまいがヒーローや信頼値ってシステムはそもそもイビツだし、そりゃあこの仕組みを利用する人も現れるでしょう。という印象。鶏が先か卵が先か、ロクでもない世の中が先かロクデナシが先か、どっちでもなくね?って話というか…? ?
ロクでもない偉い人がいなかったとしてもあの世界のヒーロー達の苦しみの本質はさほど変わらないと思う。人類が存在する限りその大衆心理に振り回され栄冠を掴んだり雁字搦めに縛られて苦しい思いをしたりする。人類が人類なので。“現実”じゃん

絶対的な悪や対立構造が存在せず、ただ複雑に入り組み、結果的に加害っぽい側と被害っぽい側というものは発生しているが、その境界線は極めて曖昧なんだよな。現実みたいですね。ナイスだって被害者であり加害者でもあるからね。


まあオタクとしての目線に戻ると、そういう風に描かれている世界で「自分が黒幕ですが?」って顔したおじさんが複数人いるの、めちゃくちゃ面白いし、しっくりくるし、よくできた構図だよな……かなり好きなんだよな…TBHXの「自分が黒幕ですが?」という顔をしてるおじさんたちの存在が 様々な角度において……
おじさんたちみんなある種の黒幕的存在であり、同時にあの世界に点在する一人の“人”でしかない、という感じが強い。極めて群像劇的だ。




追記:そう、このシステムを破壊して新たな秩序を生み出そうとしているクイーンって本当に革命家なんだって思うとすごすぎる。